ネット世論 2012 5 20
2012年5月13日の国際戦略コラムには、このような記事があります。
現在の中国には、注意を払うべき危険な兆候がある。
それは、一般市民が軍事に関して、
熱狂的と言ってもいいほどの興味を示していることだ。
中国の大衆が、中国政府の弱腰を批判して、
戦争を呼び込む好戦的言動をインターネット上に繰り広げる。
彼我の戦力差が大きいから、
フィリピンを脅迫して、譲歩を引き出せと言う。
大衆の期待の前に中国政府は、
弱腰な姿勢を見せることができずに、強い姿勢を取り始めた。
(以上、引用)
これは、戦前の日本の世論を思い出させるものがあります。
当時、日本軍は、中国全土や南方(東南アジア)へと戦線が拡大していました。
これに対して、軍人の一部には、慎重論があったのです。
それは、いたずらに戦線を拡大させると、
兵站(補給線)も、非常に長くなってしまうからです。
しかし、激高する世論に負けて、
軍部は、ひたすら戦線を拡大させてしまったのです。
軍事において、最も重要なのは、兵站です。
これは、企業経営においても、重要なことでしょうが、
戦争においては、極めて重要なことです。
しかし、素人である大衆は、
兵站の重要さを全く理解していませんから、
戦線をひたすら拡大させる世論を作ってしまうのです。
専門知識がない一般大衆が軍事を判断することが、
最も恐ろしいことであり、結果的に戦死者を増やしてしまうのです。
同じことは、政治家にも言えます。
現代においては、文民統制と言いますが、
軍事を知らない政治家から指示を受ける軍隊は、悲惨です。
いたずらに、戦死者を増やすだけです。
平和ボケしている日本では、
軍事は素人であることを自慢する政治家すら存在します。
本来であれば、軍事は、政治家の必修科目です。
それなのに、軍事を知らないことを自慢してしまう政治家がいるのです。
これは、平和ボケしている日本人の象徴でしょう。